魔法

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「失礼致します」 ざんぎり頭な女の首に白いタオルを巻いて、その上からカットクロスをつける。 「あの、カリスマさんに任せます。私に似合う髪型でお願いします」 大きな瞳を秀馬に向けて元気よく言う女。 「わかりました。あの長さは?」 「それもお任せします」 ーーー全部任せる気か。 ーーー小顔だし、目ヂカラもあるから……。この女には……間違いなくショートが似合うな。 秀馬の長い指が、髪をそっと触る。 ーーー少しくせ毛だな。どうせ、手入れもあまりしない感じだから、くせ毛を生かしたナチュラルショート。 ガーリーな雰囲気でスイート。 どんどん膨らむカットのイメージ。ざんぎり頭をパート分けしながら、カリスマ美容師、真田秀馬のカリスマカットが始まった。
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