おいもの天ぷら

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「これ、食べてください。昨日のお釣りのお礼です」 一子が前に出してきた白い色したタッパーを、秀馬と歩は息をのんで見つめた。 「なっなんだ、これは」 「開けてみますか?」 ニコニコしながらタッパーを開けて見せる一子。 タッパーの中には、大量のサツマイモの天ぷらが入っていた。 「イモ……」 秀馬が呟いたとき、店の前に白いワゴン車が横付けされた。 ドアが横に開き、中から長峰仁美が出てきた。 「秀馬さん、おはよう!」 白い体にフィットしたワンピースを見事に着こなした仁美は、手に四角い箱を持っていた。 仁美は、秀馬の前に来ると四角い箱を開けて見せた。 「秀馬さん、ベルギーから取り寄せた限定のチョコレートよ。チョコに目がないって聞いたから」 高価そうなゴールドの箱に一粒ずつ並んだお取り寄せのスイーツと、白いタッパーにぎっしり詰められたサツマイモの天ぷらが秀馬の前でコラボした瞬間だった。
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