おいもの天ぷら

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予約客をさばき、次の予約客の前にランチを済ませようとバックルームに入ってきた秀馬。 「お疲れさまです」 中にいたスタッフから声がかかる。 「お疲れさま」 秀馬は毎日スタッフに紛れて同じものを食べていた。 コミュニケーションと、風通しの良い職場の環境作りの為だ。 「あーー美味かったぁ。最高だったな、天ぷらもチョコも」 歩がビニール袋にゴミを集めながらテーブルを綺麗に片付けていく。 「はい、秀馬さん。ランチどうぞ」 テーブルの上には、秀馬用にランチボックスが用意されていた。 「今日は、近所のパスタ屋さんでテイクアウトしてきましたぁ」 「ああ、サンキュ」 バックルームには、他にも数名スタッフがいてランチを食べていた。 「お先に頂きました!」 食べ終えたスタッフが店に出て行く。 スタッフは交代で休憩に入り、常に店は円滑にまわる状態にしなければならない。 「ご馳走さまでした。天ぷら美味しかったです」女性スタッフが秀馬に礼を言ってきた。 「ああ、そりゃ良かった」 ーーーそんなに美味いのか? なら、一つくらい食べてやるか。
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