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序章 人生の足跡
私は昭和38年2月16日に那倉敏充と勝江夫婦の長男として生まれた。その当時我が家 は植木屋を営む頑固一徹な祖父春吉と、その祖父を支える祖母よねを含めた、大家族で暮らしていたのである。当時の問題点として祖父春吉と父敏充の仲が悪く、この両者は殆ど口を利かない状態であった。又当時のエピソードとしては、祖父を中心に折り合いの悪い父と初孫の私が、上座のテーブルで食事をし、祖母や叔母、母達は、狭い隣の部屋の中で、祖父への口答えも許されず、質素な食事をしていた。時には短気な祖父に女性達が張り倒される時も有り、典型的な男尊女卑の一家で有ったのだ。赤ん坊の私は祖父や祖母に大切にされて幼少期を育ったのである。元々が武家の血筋を引く我が家としては、そんな状況でも反発する事も無く、頑固一徹な祖父春吉にただ従ったのである。それから2~3年後父敏充が金型工場で工場長に成り、一緒に働いていた同僚数人と突然、金型の会社を作ったのだった。その名前は、有限会社那倉金型製作所と言う、何の変哲も無い会社だったのである。その会社が時を超えて50年続く
立派な会社に成る、と言う事は当時では、とても考えられなかったのである。
ここで私の話しに戻る事にする。
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