再会と追憶

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私は一区だけ地下鉄に乗り、そこから店をめざして歩き出した。 スマホを頼りに歩くと、緑の多い閑静な住宅街へと入っていった。 あれ? こんな場所で歓迎会? この駅にあまり土地感がなかった私は、てっきり街中のカジュアルな飲み屋さんだと思っていた。 15分ちょっと歩いて、目的地につくと私は?然とその建物を見た。 どうしよう……。 緑で生い茂って建物は見えないが、門扉と看板が目に入る。 フランス語で書かれた店名の小さな看板。 それだけで格式のある店だと私でも分かった。 自分の恰好をチラリと見た。 これで大丈夫?? 普通の通勤スタイルだ。 黒のスカートに、淡いブルーのカットソーに黒のパンプス。 とりあえずスカートでよかったと自分で納得して、約束の5分まえという事に気づき、小さく息を吐くと門をくぐった。
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