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「あの?コーヒーはブラック?それとも……?」
お砂糖だけ?昔から先輩はいつも砂糖を1つだった。
その事は聞けず、私はチラリと社長に目を向けた。
「コーヒーは3時ごろ頼むよ。砂糖を1つで」
「かしこまりました。失礼します」
偶然?何も言ってくれないし……。
先輩だとしても、あんなにモテた人だから、何年も前のただの後輩を忘れているだけ……かな。
パタンと扉を閉めると、私は自分のデスクへと戻った。
3時少し前になり、私は朝教わった通り秘書室横の給湯室へと向かった。
「加納さん?」
声を掛けられ、私はコーヒーを淹れる手を止めた。
「あっ……えっと?島崎さん」
朝、メンバーを紹介された時の記憶を私は必死に手繰り寄せた。
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