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あの挨拶のあと、社長は会議でずっと不在だった。
だから、社長が、あの光輝先輩かは分からない。
名字は変わっていたが、どこからみても社長は、あの光輝先輩に似ていた……。
私は窓の外を見ながらぼんやりと、出会った頃を思い出していた。
最後に会ったのは、もう6年前か……。
「加納」
「あっ、光輝先輩。お疲れ様です。今からですか?」
いつもそんな風に光輝先輩は、私に声をかけてくれたっけ……。
光輝先輩に会ったのは大学1年の時、サークルに悩んでいる私と友達に、ラグビー部のマネージャーどう?と声をかけてきたのが先輩だった。
特にやりたい事もなかった私は、光輝先輩の笑顔につられて入部した。
今思うと。かなり不純な動機だよね……。
そんな事を思い出しながら、運ばれてきたサンドイッチを一口かじると、小さく息を吐いた。
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