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「そういうわけにはいかない」
作戦部・逆島少佐がいい切った。
「戦術支援AIがさまざまな搭乗員の組みあわせを試して、本土防衛戦の結果を予測している。正確な成功確率を教えることはできないが、逆島少尉が指揮する菱川班がもっとも勝利の確率が高いのだ」
タツオのなかには自分のチームに敵のスパイがいるという衝撃がまだ鳴りやまなかった。気をゆるめれば、この場にしゃがみこんでしまいそうだ。だが、そんなことをすればイ会議室に並ぶ進駐軍首脳部に最悪のイメージを植えつけることになる。決戦のゆくえを左右する指揮官が精神的な弱点を抱えている。タツオの評判は地に落ちるだろう。軍人は友軍にさえ弱みを見せることはできなかった。
「ですが、逆島少佐……」
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