蒼い歩道橋

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「え、お前ニュース見るんだな意外だった」 俺をなんだと思ってんだよとふざけあった。 ただの偶然でしかないはず。出来るのなら忘れたい。 午後の授業から外の天気が崩れてきて曇り空になった。 ニュースでは明日から雨とは聞いたからそうなのだろう。 そこから徐々に眠たくなりついには寝てしまった。 「おーい!起きろHR終わってんぞ!」 親友の声で飛び起きた。何故か視界が青い。 「珍しいなぁお前が居眠りするなんて」 「荒っぽいなぁ今朝やけに早く起きたから眠かったんだよ多分」 両方とも部活は無かったため一緒に下校した。 ぞろぞろと制服を着込んだ生徒が下校してるのにもかかわらず何故か静かに聞こえる。 いや、喋っているのだが濁って聞こえる。水の中に音声を落としたかのように。 蒼さが増す。青い、蒼い。 親友が楽しそうに好きなバンドの新譜について話していると例の歩道橋についてしまった。 「あれ、ここ渡んの?」 「え、いつもこの道だろ?なんかあんのかよ」 何事もなく親友は歩道橋を登っていく。 俺は何も言えず数秒拒んだがあとをつけていったらあの光景と重なった。 夢の中と同じ光景。 青い、蒼い。静かになった。 「おい、お前そのパーカーっていつ被ってたんだよ」 親友は歩道橋の上で立っていた。     
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