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と、そうだ彼の言った言葉で気になるところ。私の置かれた状況。
「これ、夢だよね?」
思ったままの言葉を、彼に投げた。
「っハ! ここが夢の世界だとでも?」
彼はバカにしたように嗤い、私を蔑む。
「…初対面の相手にそこまで見下される覚えはありませんが。そもそも、私は気付いたらここにいたのよね。ここがどこかなんて、知りようが無いわ。」
少しばかりイラッとした私は、初対面の相手に感情そのままの言葉を投げた。
うん。社会人としては失格だね!
業務時間外ってことで、済ませてくれないかな。
「…。気が付いたら?」
私のトゲトゲしい言葉は、ダメージを与えなかったらしい。彼は、何やら考え込んでいる。
「…ええと。取り敢えず、私、安東 華。しがない事務員よ。」
「知ってる。」
…うん? このままでは話が進まないと思い、自己紹介してみれば。
知ってる、だと?
「初対面… じゃなかったかしら?」
この顔面偏差値、忘れるわけないと思うのよね。好みかどうかは置いといても。
「まあ、初対面だな。」
「?!!?」
「俺は、イツキ。お前たちは、死神って呼ぶな。俺たちのことを。」
死神。死神って言った?
華は面食らった。
「え、ええと?」
予想外の言葉に、思考が停止する。
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