スモールワールド

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 俺達はどこから来たのだろう。ある時、突然自我を持って誕生した。それまでは、なんとなく大きなものの一部だった気がする。そこでは自分なんていうものはなかった。俺達はこれからどこへ行くのだろうか。いつの間にか仲間はいなくなっている。また大きなものの一部になるのだろうか。  来てすぐにいなくなる仲間、長くいる仲間、ここにいる期間はそれぞれだ。自分の存在に疑問を持つ奴、持たない奴、ここから去ることを恐れる奴、喜ぶ奴、様々な奴が入れ替わりながらこの世界はある。 「おい、新しくきたβを名乗る奴ら生意気だからボコボコにしてやろうぜ。」  この喧嘩っ早い奴の名前はγ15。俺たちは誕生した時に体に名前を刻まれている。ちなみに俺の名前はα3だ。 「勝手にやってくれ。俺はそういう暴力的なのは好きじゃないんだ。」 「相変わらずつれねーな。お前が仲間になると一気に戦いが有利になるんだがな。お前は本当に頭がいいからな。」  αを名乗る奴とそうでない奴では、正直頭の出来が全然違う。 「γ軍団の総力をあげてβをボコボコにするから見とけよな。」  γ15がそう言って去ってから少し経ち、γとβの総力をあげた壮絶な肉弾戦が始まった。俺は、三角山と呼ばれている建造物に登り、上からその様子を眺めていた。三角山と言うよりも、ピラミッドと言った方がしっくりくるのだが、皆が三角山と言うから、仕方なく俺もそう言っている。 俺はよくここで考え事をする。最近ここで大発見をした。それは、時の流れの感じ方は一様ではないということ。おそらく、俺とγやβでは時の流れの感じ方が全然違う。あいつらと俺の成長スピードが全然違うところから、この発見をした。俺はこの世界にいる間に、もっともっとたくさんの発見をしたい。
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