死期を悟る

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食べたいと思うこともなくなった。病室から外を眺めたいとも思わない。 一日中ベッドに横たわり、天井だけを見つめている。妻と娘が前よりも頻繁に病室に来るようになった。 「今日は何日だろう?」 ふと心中で、明日が来ないような気がした。私はもう死ぬ、そう遠くない頃に。 フッと息を吐いた。長年連れ添った妻が私の上に覆いかぶさり、ワンワンと泣いている。足もとの娘も、声を殺して泣いていた。医師や看護師が一礼し病室後にする。静まり返った病室で、妻と娘の泣き声が聞こえる。やがて私の意識も薄れてしまう。死が訪れたのだ。その時、私という人間の時間が止まった。
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