男女の友情

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「そんな顔するなら、どうして・・・・・・あの時・・・・・。」 そこまで言った彼は急に口をつぐんだ 彼の顔は酷く歪んでいる 私の頭の中は真っ白で 彼が何を言い出したのか 記憶を急いで辿る あの時・・・・・・? 「・・・・あの時って・・・・・・?」 暫く、俯いていた彼が顔を上げ 真っ直ぐに私に向かって言った 「2年前、俺 お前に告白しただろ。でも、お前は友達がいいって言った。一生、このままが良いって言っただろ。」 ・・・・・・・・・そうだった 私の中で一気に気持ちが2年前に遡る 2年前、私は健人に告白された。 でも、私はずっと健人とはこのままでいたいと・・・・言った それが、変わらず健人の傍に居られる手段だと思ったから 付き合ってしまったら いつか、飽きられるかもしれない 彼に 他に好きな人ができたら 私と彼の関係は何もなくなってしまう それが怖くて怖くて仕方がなかったのだ 何も言えずに彼を見つめていると 彼は自嘲気味に笑い 「俺がどんな想いで今までいたか、分かるか? もう、限界なんだよ。 お前のその態度も 俺を辛くさせるだけ。 愛は冷めるけど、友情は変わらない? 俺はお前との友情が冷めた。 永遠に色褪せない友情なんて、無い。 少なくとも、俺にとって男女の友情は・・・・お前とは 一生成立しない。」 胸の奥にズシリと響いた
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