男女の友情

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「いやぁ。トイレ、やばい混んでたよ。めっちゃ吐いてる奴いてさ・・・・・・・・・って、うわぁぁぁっ!!!!!!」 ・・・・・・・・・・・!!!!? 急に聞えた叫びに驚き、顔を上げると 「・・・・・あれ?山な・・・・・かさん?」 私を見た男がポカンとしている 「あ・・・・・・・・・。」 目の前の男は、私の一個下の後輩 多田 勇一郎(ただ ゆういちろう)だった げ。 やばい。恥ずかしすぎる 後輩に こんな酷い顔、見られるなんて・・・・・ 彼も彼で、やばいものを見てしまったという顔をしている 「し、失礼しました!席、間違いました!!!!」 身を翻し、ロボットのように回れ右をした彼が 私の前から去ろうとするのを急いで呼び止める 「多田!!!」 リモコンで一時停止を押したように 彼はピタっと止まると 「・・・・・・・・・俺、何も見てませんから。」 私の方を振り向く事なく、声を上ずらせながら言った 「いや、見たでしょ。」 「み・・・・・・見て・・・・・・・・」 「見たよね?」 「み・・・・・見て・・・・・・・」 「見ただろ?」 「み・・・・、見て・・・・・・しまいました。」 観念したように、泣きそうな声で白状する 「誰にも、言うなよ?」 私の声に彼の肩がビクッと上がる 「は・・・・・、はひ。」 「言ったら、ブッコロス。」 「は、はい!!」 彼はビシッと背筋を伸ばし いい返事を残して自分の席へと帰って行った
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