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「おい、さっきからお前 何ぶつぶつ言ってんの?」
同期の三品に突っ込まれハッとする
「あ、あぁ。お経唱えてた」
「はぁ?」
・・・・・・・・やべ。あまりの恐怖にお経唱えちゃったよ
「何でもねーよ」
俺はビールを飲みながらも さっきの彼女の泣き顔を忘れる事ができなかった
彼女に、何があったのだろう・・・・・・・
普段、彼女は正直怖い
俺が入社したての頃
彼女はとてもたった一つしか歳が変わらないなんて思えないくらい
仕事ができた
テキパキしていて
上司にも好かれていて
そして、クールだった
どちらかというと、人懐こいタイプではない
近寄りがたい存在であり
俺らの間でも高嶺の花と言われていた
彼女はきっと 自分で何でも出来て他人を必要としないタイプだろうと思っていたのだ
そんな女性が
あんなに取り乱していた
いや、俺にはいつも通りの(それ以上に)冷たかったけど
・・・・・・・・気になる
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