本物の修羅場

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「でも・・・、健人は きっと・・・・山中さんの事を・・・・・」 彼女の涙がまた溢れだした 彼女の涙は綺麗だ、と思った 彼を真っ直ぐ想う その気持ちが痛いほど伝わる ・・・・・私は? 意地を張って、彼を友情という言葉で縛りつけて・・・ 私に彼女から彼を奪う権利なんて 最初から、無いのだ 「もし、そうだと思ったのなら・・・・・。それは一瞬の気の迷いです。 長年、友達として 居心地が良かった場所を失うのが 怖くなったんじゃないですか? マリッジブルーですよ。男もあるみたいですから。 それに・・・・・・。私は彼を受け入れる気なんて、サラサラないですから。 そんな馬鹿な事言ってきたら、ぶん殴って あなたの所までふっ飛ばします。」 うまく、笑えただろうか 彼女は、そんな私を見て やっと、少し微笑んでくれた そして、急にガバッと頭を下げ叫んだ 「・・・・本当にごめんなさい!!ずっと、私あなたに嫉妬していたんです。 友達、と言いながら本当はそういう仲なんじゃないかとか・・・・ こんなに、素敵な人なのに・・・・私・・・・あなたの事 酷く嫌な人だと思ってました・・・・・っ」 ・・・・・・・・。 嫌な人だよ、私は。 ほんの少し、 本当は今日 期待してしまっていたんだから・・・・・・。 「私は素敵な人なんかじゃ・・・・・・・」 そこまで言った時 「お疲れ様でーす!!!!!!」 ・・・・・・・・・・・・?!!!!! 急に妙に意気込んだ声が飛び込んできた
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