本物の修羅場

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声の方を見ると 多田が私に手を挙げている 「え、多田…?」 何しとんの? そう、言おうとすると 多田が必死に私に何かを訴えている どうやら、話を合わせろ…という事らしい 「あ、あぁ。お疲れ様」 私も、何故か片手を挙げる 「山中さん、今日 飲み会の場所 変更になったんすよ。それ、報告しに来ました! ほら、準備して!行きますよ!!」 そう言うと、多田は私の荷物などを手早く持って出てしまった 「え!?ちょ、ちょっと待って!」 何がなんだか分からないが 多田は私を連れ去りたいらしい 「宮本さん、なんかバタバタしてすみません!あ、でも。このまま、ここにいてくれますか?東堂君も、ここに来ますから。」 急いで言うと、彼女が慌て始めた 「いや、こんなとこに来たのがバレたら 健人に怒られてしまいます!」 「大丈夫。ちゃんと、話して。ついでに、今日の飲み会は『欠席にしておく』って伝えておいてくださいね」 「え?!」 「このまま、今日は2人で過ごして下さい。嬉しい報告をするんですから」 私は彼女の肩を優しく撫で 「元気な赤ちゃん産んでくださいね」 そう伝えて、その場を後にした
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