本物の修羅場

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_______ 恥ずかしかった 偉そうに、彼女に色々言ったけど 心の何処かで、微かな期待をしていた自分が 恥ずかしくて 情けなくて 自分自身に嫌気がさす 健人が、もしかしたら私の元に帰ってくるんじゃないか、なんて考えたから・・・・罰が当たったんだ それを見透かされないように 大人ぶって 良い人ぶって 私、何やってんだか・・・・ 店の入り口にたどり着くと 多田がこっちを見て待っている てか、なんで 多田がここにいるんだ。 「山中さん、行きますよ」 ゆっくりと、優しい声は やっぱり私の涙腺を刺激する 私が彼の横までたどり着くと 多田は遠慮気味に私の腰に手を当て 店の外まで誘導してくれた ____ 「沙羅!」 その時、後ろから私を呼ぶ大声が聞えた
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