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______「俺、結婚しようかと思うんだ」
・・・・・・・・え・・・・。
分かっている
言ってる意味は、理解した
付き合っている人がいれば、そのうちそういう言葉が出てきてもおかしくないと思っては、いた。
でも
まさか、こんなに早く
しかも、健人の口から『結婚』の二文字が出てくるなんて
思っていなかっただけだ
恐らく、かなりの間が空いただろう
私は何でも無いというかのように
「ふーん」
とだけ、言った
心臓は、その装った冷静とは違い
慌しく、鳴り響いている
正直、自分が彼の結婚でここまで動揺すると思っていなかった
だって、結婚なんて男にしたら人生の墓場でしょ
結婚したら、最後
後は愛情なんて磨り減っていくだけ
彼が必要とするものは、嫁よりも
気心が知れた女友達の方だ
______「だから、もう こうやって2人で会うのは止めようと思う」
健人の顔を見れずに
手元のビールを思い切り喉に流し込んだ
不味い。
何故だろう
彼も同じように恋人よりも私を大切に思ってくれていると勘違いしていたのだろうか
何があっても、揺るがない関係が続くと思っていたからだろうか
恋人よりも、自分が立場が上で
彼が結婚したとしても、私との関係は・・・・・・・続く・・・・・・・漠然とそう、思っていた
色んな考えが頭の中をグルグルまわる
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