友達のままで

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友達のままで

 早瀬巴(はやせともえ)は、男好きの代名詞だ。  とっかえひっかえ男を作り、飽きてはまた次の男へと移っていく。  クラスメイトの女子達の間では、密かに悪女などとも呼ばれている。  早瀬さんはクラスの中でも一番可愛い。  毛先をカールした肩まで伸びた黒髪。  大きな二重の目。  真っ直ぐに伸びた小鼻。  えくぼが似合う、ふっくらとした桜色の唇。  小柄でスリム。でも決して痩せすぎずスタイルも良い。  悪女などと言われているが、別に派手なわけではない。  セーラー服は着崩さず、スカート丈もきちんと校則を守っている。  では何故そんな噂が立つのかと言えば、人懐っこさに由来するのではないかと思う。  僕が初めて早瀬さんに話し掛けられたときも、まさかといった感じだった。 「ねえねえ、小林くん。何やってんの?」 「……え?」  昼休み、教室の隅の自席でスマホを弄っていたところへの不意打ちだった。
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