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私の眼差しの先に、少し猫背気味な彼の背中がある。
その器用な手先で何を作っているのだろうか。
ぼんやりと眺めていると、作業に没頭していた彼が私の視線に気づいたのか、ふと手を止めて振り返った。
穏やかな微笑みを浮かべて私の傍らに立ち、そっと手を伸ばす。
彼の優しい手が柔らかく私の髪を撫でる、そして──私のものではない頬を!
彼は愛おしそうに私のものではない身体を抱いて作業台に戻った。
私のものではない身体は作業台の上にしばらく横たえられた後、彼の手によって作られた小さな赤いワンピースを着せられた。
彼は満足そうに頷いて、静かに私のものではない身体を元あった棚に戻した。
私の眼差しの先で、彼は少し伸びをして、また別の作業へと没頭していった。
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