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目を覚ますといつも通りの床、いつも通りの天井、いつも通りの畳、そして畳から香るほのかな香り、何も変わらぬ日常だ。
外を見ると太陽が昇っていた。
廊下に出ると青空が広がっている。
「今日もいい天気!」と私はにっこり笑いながら大声で叫んだ。その時、後ろから物音がした。後ろを見るとお母さんだった。顔を見て見ると、暗い表情をしていた。私は疑問に思ったが、考えるのをやめ、朝の挨拶をした。
「おはよう!お母さん」
しかし、お母さんは元気よく言った私の挨拶を無視し、廊下を進んで行った。
「あれ?大きな声で言ったのに聞こえなかったのかな?」
私の疑問はさらに増えていく。
そんなことは気にせず、私は台所に行った。台所へ行くと、予想通りお母さんと兄が椅子に座っていた。私は問いかけた。
「なんでおはようって言ったのに答えてくれなかったの?ねぇ」と言いながら二人を睨みつけた。しかし、誰も答えてくれない。反応すらしない。
台所には沈黙だけが残り続けた。誰も何も言おうとしない。そんな時間が1、2分ほど続いた。
お母さんが突然口を開いた。
「あの子が死ぬなんて....」あまりの衝撃に私は言葉を失った。
「え?」
兄の方を見ると黙ったまま俯いていた。
「ねぇ、あの子って....誰........?」私の言葉はいつのまにか震えていた。自分でも驚いたぐらいだ。
「........っ」
お母さんは泣いていた。顔を手で覆いながら。
と、次の言葉に私はとてつもない衝撃を受けた。
「布由........」
「な、なんで........?私はここにちゃんといるよ!?」
しかし誰も答える人はいなかった。
「どうして!?私は....ここにいるよ!?だからお願い、返事をしてよ!?」
私は床に手をついた。涙も流れてきた。
「どうして........私、死んじゃったの?なんで........、誰か........私が死んでしまった理由を教えてよ!....それぐらい、答えてよ....誰か.........」
しかし、私の願いを聞いてくれる人は誰一人としていなかった。
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