どうして....誰も答えてくれないの?

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
目を覚ますといつも通りの床、いつも通りの天井、いつも通りの畳、そして畳から香るほのかな香り、何も変わらぬ日常だ。 外を見ると太陽が昇っていた。 廊下に出ると青空が広がっている。 「今日もいい天気!」と私はにっこり笑いながら大声で叫んだ。その時、後ろから物音がした。後ろを見るとお母さんだった。顔を見て見ると、暗い表情をしていた。私は疑問に思ったが、考えるのをやめ、朝の挨拶をした。 「おはよう!お母さん」 しかし、お母さんは元気よく言った私の挨拶を無視し、廊下を進んで行った。 「あれ?大きな声で言ったのに聞こえなかったのかな?」 私の疑問はさらに増えていく。 そんなことは気にせず、私は台所に行った。台所へ行くと、予想通りお母さんと兄が椅子に座っていた。私は問いかけた。 「なんでおはようって言ったのに答えてくれなかったの?ねぇ」と言いながら二人を睨みつけた。しかし、誰も答えてくれない。反応すらしない。 台所には沈黙だけが残り続けた。誰も何も言おうとしない。そんな時間が1、2分ほど続いた。 お母さんが突然口を開いた。 「あの子が死ぬなんて....」あまりの衝撃に私は言葉を失った。 「え?」 兄の方を見ると黙ったまま俯いていた。 「ねぇ、あの子って....誰........?」私の言葉はいつのまにか震えていた。自分でも驚いたぐらいだ。 「........っ」 お母さんは泣いていた。顔を手で覆いながら。 と、次の言葉に私はとてつもない衝撃を受けた。 「布由........」 「な、なんで........?私はここにちゃんといるよ!?」 しかし誰も答える人はいなかった。 「どうして!?私は....ここにいるよ!?だからお願い、返事をしてよ!?」 私は床に手をついた。涙も流れてきた。 「どうして........私、死んじゃったの?なんで........、誰か........私が死んでしまった理由を教えてよ!....それぐらい、答えてよ....誰か.........」 しかし、私の願いを聞いてくれる人は誰一人としていなかった。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!