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「ついたでー」  そんな声が頭の上で響いた。  ふと後鬼の声が耳に届いた。  つい先ほどまで眠っていたこともあって、頭がいまいち回らない。  周りの様子をを確認してみると、どうやら馬車は止まっているようだ。 「今どういう状態?」 「入国の順番待ちってところやな」 前鬼がそう答えると、また一つ前に列がずれる。  順番に何かをしているようだ。  さすがは王都だけあって入国審査が厳しいようだ。 「おっかしいな。こんなの俺今まで受けた事ねぇぞ」 「ああ、僕もだ」  アルベールとジョエルの二人が門を眺める。  二人の話では、普段このような検問を行っている事は珍しいらしい。  王子が行方不明とは言え、国の入り口に検問を張る理由も思いつかないな。  不審者にたいして警戒してるとかか?  特に思い当たる事も無い為、そのまま列が進むのを待つと、俺たちの番になった。  金属の鎧を身に纏った男が、ゆっくりとこちらへ歩いてくる。  なにやら馬車全体を眺め、探ってるような仕草だ。 「どこから来た?」  その質問にレコンキスタが代表して答える。 「王国騎士団所属アウディヴァーノ=レコンキスタだ。任を終えて帰還した所だ」  そう告げると兵士は驚いた後、喜びの表情をを浮かべ手続きを再開した。  大がかりな検問をしていた割には、面倒事が起きる様子もなくそのまま馬車事通る事が出来た。
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