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 幅も数十メートル近くあり、どう見ても周囲の建物と存在感が大きく異なる。 「大きいだろう? 国王が住む城を抜きにしたらこれが一番王都で立派な建物だと思うよ。ちょうど城と向かい合う様に建ってるんだ」  言われて後ろを振り向くと、これまた立派な城が遠くに見えた。  やはりさすがは王城と言うだけあって向こうの方が荘厳で立派だが、目の前にある総合ギルドは民営で行われてると考えれば、それだけで総合ギルドが如何に大きな場所かが窺える。 「とりあえず中に入って、依頼達成報告をしよう。ハセオの依頼もここで報告できるよ」  それはありがたい。  わざわざカルヴァーナに戻ってから出ないと報告が出来ないのかと思っていたが、どうやら問題ないらしい。    それぞれジョエルは総合カウンターに、俺は冒険者ギルドのカウンターに向かう。  俺は前もってレコンキスタから貰っていた、依頼達成証明書を受付嬢に受け渡し、処理を済ませると大きな袋を持って出てきた。 「こ、こちらが……報酬の金貨七百枚です」  ドシンと置かれた金貨を見て周囲の冒険者がざわつく。  流石にデカすぎる額だ。  ……というか、みんなに見える様に置くなよ、もめ事の原因になるだろ。 「おーおー、随分と稼いでるじゃねぇの坊主」 「ほらきた」 「あ?」  思わず口に出た言葉に、後ろから馴れ馴れしく話しかけてきたスキンヘッドの男が反応する。  剃った眉に鼻ピアス、耳には複数の輪が付いている。  なんだこの一世代前のヤンキーみたいなやつは。 「そんだけあるんならよぉ、ちょっと俺らに奢ってくれよ」  そう言って受付中のカウンターに寄り掛かる。  気が付くとカウンターを囲う様にして四名ほどの冒険者が経っていた。  ピアスの仲間か?    受付嬢が小さな悲鳴を上げて引っ込んでしまう。  ……随分とビビってるな、初心者か?  カルヴァーナの受付嬢さんなら、怒鳴って追い返すところだぞ。 「何で俺が奢らないといけないんだ?」 「幸せは皆で分け合うもんだろ?」 「悪い、俺にとっての『皆』は仲間限定なんだ」 「そう邪険にすんなよ、何なら俺が仲間になってやるからよぉ。そっちの子も俺が面倒見てやるぜ?」  テンプレ過ぎる奴だな。  その様子に溜息が出る。
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