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「Eランク冒険者が私兵ねぇ……ソイツをここに連れて来たという事はそういう事か?」
「ええ、かなりの実力者です。ですが本人はランクを上げる事に執着が無いらしいので、今日は総合ギルドへの登録だけです」
するとアルヴォアは再び目を細める。
腕を組み考えるようにしてから数分後答える。
「実力はどうなんだ? それにランクを上げるつもりが無いのにわざわざ登録する必要があるのか?」
「実力は間違いなくその辺のBランク以上ですね。赤竜を彼の仲間を含む四名で撃破する程度にはありますよ。それに、彼は恐らくギフト持ちです。それだけでも十分価値があるかと」
ドラゴンの件を聞いた途端アルヴォアは、眉をピクリと動かして反応する。
だが、その後のジョエルが言った『ギフト』という言葉に大きく動揺した。
なんだ、ギフトって。
「ジョエルそのギフトって何だ?」
問いかけると二人は視線を合わせて何やら頷いている。
「ハセオ、ギフトってのはこの世界にいるごく一部の人間に与えられる特殊スキルの事だ」
「特殊スキル? ジョエルがギルドカードで見せてくれた奴か?」
「あれとはちょっと違うかな、例えば剣術スキルは極めれば極めるほどレベルを上げていくが、ギフトにはレベルと言う表記が無い。持っているだけでその効果を最大限まで発揮するんだ。一部の人はそれを持って生まれて、知らず知らずのうちにそれを使って生きているんだ。恐らくハセオの力もそれに関係するのではと思っているよ」
一種の才能みたいなものか?
だとしたら俺の魔法に関する情報とか分かるかもしれないな。
「ちなみにそのギフト持ちってどれぐらい確認されてるんだ?」
「割といるぞ? 初代総合ギルドマスターもギフト持ちだったという噂だ。だがギフト持ちは大半がその能力を隠して生きるか、知らずに一生を終える事が歩飛んだ。そこで初代はこのスキルカードを生み出して自身のギフトを確認出来るようにしたらしい」
そう言ってアルヴォアは、銀色のカードを取り出して一部のスキルを表示する。するとそこには『アルヴォア=モリオカ 真理の瞳』とだけ表示されていた。
真理の瞳か、見抜くスキルってことかな?
それにしても、モリオカってもしかして日本名か?
「アルヴォアさんって初代の子孫だったりします?」
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