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 眼鏡をかけた女性はツェジカと名乗った。  登録時にスキルカードには、全てのスキルが表示されるらしく、規則として登録する人物と、登録作業員だけが立ち会う事になっているらしい。  その為、一人ずつ登録の間と呼ばれる部屋に通された。  既に前鬼と後鬼は、ギルドマスターの部屋に来た時と同じように別室へ転移して登録作業中で、これから俺も登録するところだ。 「こちらにある水晶に手を触れてもらいます」  中央で、頭一つ分ほどの大きさの水晶が台に設置された部屋へ案内された。  ほんのりと足元が光るだけの薄暗く、一歩前に出て水晶に手を乗せる。  原理は分からないが、この水晶にはギルドマスターのギフトの力が込められているようで、現状五つしかないそうだ。  そりゃあ登録待ちになる。 「では、魔力を流してもらいます」 「あ、こっちは魔力なんですか」 「ええ、魔力と言っても意識を集中してもらうだけで必要分は集まるので過剰に流さないようにお願いします。壊れたら白金貨七十五枚になります」  七十五枚……すげぇ高価だな。  細心の注意を払って魔力を流す。  光が強くなるとツェジカは銀色のカードを台座に刻まれた窪みにはめる。  すると光は収まり、代わりにカードが強く光りだす。 「……登録が終わったようですね。内容を見る事が出来ませんのでご自身で回収して頂けますか」 「はい」    手を伸ばしてカードを回収すると文字がずらっと書かれていた。 「如何でしょうか? 問題なく登録されていますか?」 「え、ええ」 「文字部分を右から左になぞれば消えます、カードの全体を左から右へと撫でれば消えた文字を全て初期化できます」  言われた通りに指でなぞると見えていた文字が消える。  おお、これで不都合が起きそうなスキルは隠せるのか。  一応ツェジカさんに全て表示した状態で見せると、驚いた顔をした後眉をひそめた。 「……では他の皆さんも終わったと思いますので、ギルドマスターの所へ向かいましょう。そこで貴方の担当官を決めましょう」 「ありがとうございます」  どうやら彼女としても俺のスキル俵が異常だったらしい。  面倒な事にならなければいいが。
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