私はすべてを失った。

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 一目惚れをしてすぐ、私はこの小さな港町に居を移した。  何をするでもなく、日が陰り出した頃から姿を見せる20後半の男。 自分で言ってはなんだが怪しさMAXである。  その為、町の住民達には病気をして、その療養のためにこの町へ越してきたのだと説明した。 昼間に外に出ないのは日光に弱いから、仕事をしていないのは親の遺産があるからだ、と。  あながち嘘ではないが、本当の事でもない。
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