たとえ、死んでも。

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面接官はひととおりの用意を終え、長テーブルの奥にある椅子に腰をかけた。 「どうぞ、入りなさい」 「失礼いたします」 入ってきたのは一人の青年だ。やはりスーツを着ている。20歳くらいのその姿は、やや初々しい感じもするが、情熱と希望に満ち溢れている。 「どうぞおかけください」 面接官に促され、青年は部屋の真ん中に用意された椅子に腰をかけた。 「変わっているね、こんな時代に生まれたいなんて」 面接官は履歴書を眺めながら言う。 「今、地上界が混乱状態にあるのは判っていての申請なのかね?」
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