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第四話「トライアングル」
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ロッカー水浸し事件から以降、着替える部屋を変えたことで、花衣へのあからさまな嫌がらせ行為はひとまず落ち着いた。
夏休みが始まり紫苑と亜利紗と一緒にレッスンを受ける時間が増えたことも、他のモデル達を抑制する効果があった。
社長のみならずLuZのツートップである二人と仲が良く、色んな面で他のモデルと差別化される花衣に対し、逆に取り入った方が得だと判断したのか、手の平を返すように媚びて来る者も出始めたが、花衣は嫌ってくる人間同様に相手にしないことに決めた。
自分がここへ来るのはただO-Cのショーに出る為だ、と自身に言い聞かせ、慣れ合いも敢えて避けた。
そんな彼女の態度がまた、「お高くとまっている」「自分達を見下している」と反感を買ったが、花衣がどういう態度でいようが最初に生まれた溝は埋めようがなく、彼女がLuZで親しく言葉を交わすのは、紫苑と亜利紗以外ではマネージャー代わりの紘生だけだった。
一砥は、社内では敢えて花衣と距離を置き、廊下ですれ違っても声すら掛けて来なかった。
花衣もどんな顔をして接すれば良いか分からず、LuZの中では他所他所しい態度を貫いた。
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