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赤、青、紫、黄色。野に咲く花々の様に色とりどりの光が、時に正面から頭上から真下から、私の元へとやってくる。その光が単なる暖かな光であったなら、どれほどよかったであろうか。その光がただ人の目を楽しませるだけならば、どれほどよかっただろうか。
しかし戦地での数多の光たちは、私たち兵士の目を楽しませるために飛んでいるのではない。私の元へと降り注ぎ、飛んでくる光は私や他の兵士の命を喰らい尽くすのに十分すぎるほどの威力を伴っている。どの光も狙いすました矢の如く飛来し、容易に私や仲間達の命を奪うために飛んでくる。
明確なそれでいて濃厚な殺意をもった光は、今しがた対峙している耳長達が放つ魔法からもたらされている。もう長いこと、彼らの言葉をこの戦場で耳にしてきたが、その意味する言葉は何なのか、理解することはできなかった。
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