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今回来国する皇子御一行が乗る馬車が、国境に近付いてくる。
先触れの者が俺の所に来て、挨拶を済ます。
俺は滞りなく、無事に通り抜けて行ってくれる事を願った。
が、四方八方に目を光らせていると、怪しい動きをする者があった。
長い馬車の行列の中で、皇子が乗った馬車が通り抜けようとしていた時だった。
騒ぎにさせてはならないと、音も無く怪しき者の背後から忍び寄る。
その者の口を塞ぎ気絶させ、建物の裏手へと連れ込んだ。
随分と華奢な奴だな、と見やれば、女だったので驚いた。
そして、そこに油断が生まれてしまった。
「!!」
背後をとられ、ナイフで刺されてしまったのだ。
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