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「団長!」 俺の顔を見、脇腹のナイフを見て青くなる。 彼女の表情が変わるのは大変珍しい事なので、痛みよりも彼女に見とれた。 そっと寄り添い、ナイフの傍に手を当ててくる。 脂汗が退き、果てしなく感じた医務室までの距離が大変楽になった。 医務室では準備を終えた医務官が待ち構え、早速処置を施してくれた。 腕の良い医務官だったようで、出血も少なく、周りの組織も傷つけずに処置が終わった。 長期間の安静を言い渡されたが、ルピアが『手当て』をしてくれたので、発熱もなく、一週間程で短時間の書類仕事ならば出来るまで回復していた。 「団長の回復力は人間じゃありませんね。」 団員たちはそう囁いていた。
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