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俺はただの人間だが、怪我を負った後変化した事があった。 毎日時間の許す限り、ルピアは『手当て』しに通ってきてくれ、回を追う毎に笑顔を向けてくれるようになったのだ。 俺の気持ちは怪我の前から好ましいものに変化していたので、恋心に拍車をかけたのは必然だった。 「団長?痛みがありますか? 手を当てましょうか?」 「いや、大丈夫だ。 ルピアのお陰で随分と良くなった。」 後数日で要人御一行が帰途につく。 この間の犯人はあの時捕らえた二名だけだったようで、背後関係も探ったが大丈夫のようだった。 襲撃未遂があった事は秘匿され、『何事もなく』訪問は終了する予定となっている。 だから帰りもここを通り抜ける時、俺が行きの時と同じ先触れの者と顔を会わせるのが重要になるのだ。 ルピアの『手当て』が無ければ、俺がその場に立って見送る事が出来たかどうか怪しい。 『何事もなく』見送れるのは、ひとえに彼女のお陰と言えるのであった。
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