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真守が渾身の想いでお祈りして、その後神社の社殿を見ていると、
「あっいた雀」
神社にある雀を探していた。
この神社の社殿には3羽の雀がどこかに彫られていて、もしそれを見つけたら願いが叶うと言い伝えがあるのだ。
柱や梁にも張り巡らされた彫刻。社殿の周りを見ているだけ見つけられるのもいれば、なかなか分からないのもいる。だから最後の1羽は少し奥まった所にいた。しかし、
「あれ? あそこにもいた・・・どういう事だ? 」
真守はもう一度見直した。あそこに1羽、ここに1羽、そしてあそこに1羽、で、ここにも1羽・・・4羽いる・・・。
よく分からないがとにかく3羽見つけたからきっと願いが叶うのだと思って、真守は社殿を後にした。
初詣はたくさんの人だった。家族連れ、カップル、友達のグループなど、色んな人がいた。でも真守はひとりぼっちだった。
真守が歩いていると、
トントン
「落ちましたよ」
真守は肩を叩かれ後ろを見ると、小さな子がいた。でも高校生ぐらいなのか・・・。とにかくその子は真守が落とした財布を返してくれた。
渡し終えた後も真守の顔をじっと見つめていた。
「なんですか? 」
そう真守が聞くと彼女は笑って、
「いい事あるよ~キャハハハハハ」
笑いながらその子はどこかに去って行ってしまった。
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