音連れ~君と僕の音ズレ~

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 真守が生まれ育ったのは、最上川が流れる上杉家や伊達政宗ゆかりの米沢市。冬はとても雪深い。  冬休みも終わり、3学期が始まった。 「そんじゃ、転校生を紹介するっぺ」 窓の外の降りしきる雪を見つめていた真守が、コテコテの山形弁の先生を見た。 「へえって来い」 と先生に言われて、女の子が入って来た。  真守がその女の子を2度見した。だってお正月に神社で見た子だから。 「ほいじゃ、挨拶すっぺ」 先生に言われ、少しキョロキョロしながら自己紹介した。 「神坂弥羽と申します。宜しくお願いします」 礼儀正しく礼をして開いている席へと座ると、その子は真守の顔をチラッと見て少し微笑んだ。  真守が教室を出ると、爽子は隣の教室から友達と笑いながら出て行った。そんな爽子の後姿をただ見つめていると、 「なるほど。あの子に近づきたいわけだ」 真守は後ろから声がしたので振り返ると、弥羽がいた。 「な・・・なんでその事を・・・ 」 真守がそう驚くと、弥羽は微笑み、 「確かに、めんごいの~」 弥羽は山形弁で可愛いと言って爽子を見ていた。
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