能力者同士の戦い2 U vs Achilles 

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「ああ。自分の知識を話している内に気分が良くなってしまってね。ついつい辛辣な言葉が止まらなくなってしまう事もある。その時は、ご容赦願いたい」 突然、アキレスの身体が光り出した。 ユウは目を瞑り、腕で目の部分をガードした。 ユウが次にアキレスを見た時、アキレスの全身を鎧が覆っていた。 頭には兜をかぶっている。 「見たまえ。これが『Adamant Armor』(アダマンアーマー)だ。『Adamant』とは、『きわめて堅いもの』、『強固な物質』という意味がある。そして、『Armor』には、『よろいかぶと』と言う意味がある。なので頭の防御も完璧だ。君に、この鎧が壊せるかな?」 確かに、上半身の防御は完璧だ。 首以外は完璧にガードされている。 だが、下半身に鎧は無い。 「もしかしてあんたの弱点は『Achilles’s tendon』(アキレス腱)なのか?あの英雄『アキレス』と同じように」 「試してみるかね?」 アキレスが両手を広げ、仁王立ちした。 舐められている・・。 ユウはそう思った。 そう思った瞬間、ユウはアキレスに向かって突っ込んだ。 そして、アキレスの後ろに回り込んで、アキレス腱を短剣で斬ろうとしたした刹那・・。 「イージス!」 と、アキレスが叫んだ。 すると、アキレス腱の付近に巨大な盾が現れて、ユウの攻撃は完全にガードされた。 ユウは慌ててアキレスから離れた。 その時には、盾はすでに消えていた。 アダマンアーマーにしろイージスの盾にしろ、ユウはアキレスと組んだ時に見た事が無かった。 だが何故、能力を見せなかったのだ・・? その時、アキレスが得意げに言った。 「すばらしいだろう?これが『Aegis』、つまり『イージスの盾』だ。イージスの盾は『神の盾』なのだ。そんな攻撃など物ともしないぞ」 「く・・」 「しかもだ。この盾は、私が『イージス』と叫んだだけで、私の身体の周りならばどこにでも現れるのだ。私の望んだ通りの場所に・・ね。完璧な防御だろう?」 「確かに、防御は完璧だ・・。だがそれでは体が重すぎて、俺に攻撃できないぞ?」 「その通りだ。だから最初に言ったでは無いか。『君とスピード勝負をするのは馬鹿らしいと悟った』とね。スピードを捨てて、防御に重きを置いたのだ。だが・・」 アキレスがユウに向かって走って来た。 「だが折角だから、本当に君に攻撃が出来ないかどうか試してみるとしよう」
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