能力者同士の戦い2 U vs Achilles 

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そう話している間も、アキレスが向かってきている。 だが、あまりにも遅い。 避けてくださいと言っているような者だ。 「アクセラレーション!」 アキレスがそう叫ぶと、急にアキレスのスピードが上がった。 「何!?」 ユウは驚いたが、身構えていたおかげで何とか避ける事が出来た。 「ほう・・かわしたか・・。やるものだ」 アキレスは落ち着いているが、ユウはかなり慌てたせいか息が上がっていた。 「き・・汚いぞ・・貴様・・」 「なに・・?汚い・・だと・・?」 アキレスが顔をゆがめた。 「急にスピードが上がった!それは今までは手を抜いていたという事じゃないのか?!」 「ああ・・。何だ、そんな事か」 アキレスは表情を緩めた。 「異次元空間では常に全力で戦わなければ死ぬはずだ!なのに、何故・・」 「それは、私が全力で戦っているという事の証では無いかね?」 「だが・・」 「まだ青いな君は。今のは『Acceleration』(加速)という私の能力を使用したまでだ。自分の能力をどのタイミングで使うかなど個人の自由では無いか。そうだろう?君だってそうしているはずだ」 「ぐ・・!!」 「もっとも、君の能力はまだ良く分かっていないのだがね。他の連中とは明らかに異質な感じだ。一体、どういう能力なんだね?」 「そんな事、他人に言える訳・・」 「そうだ。そんな事、他人に言える訳が無い。にも関わらず、君はこう考えたはずだ。『何故自分と組んだ時に、私は能力を見せなかったのだ』とね」 ユウは愕然とした。 「な・・何故・・それを・・」 「分かるさ!君の表情を見ていればね。では、その答えを教えよう。他の能力者に自分の能力を見せたり教えたりするなど、自殺行為以外の何物でも無いからだよ。まあBなどは、自分の能力をひけらかしているがね。彼が爆弾を使う事を知らない者は、組織内には1人もいない」 「だ・・だが、俺達は・・仲間・・」 「そう。仲間、だった。だが君は、今は私の敵だ。そうだろう?つまり君だけじゃ無く、誰もが敵になりうる世界なのだよ。我々がいる世界はね」 ユウは言葉を失った。 アキレスに全てを論破されているからだ。 「さて、先ほどの攻撃は見事にかわしたが、次はどうかな?」 アキレスは指を『パチン!』と鳴らした。 すると、ユウの左側、それもかなり近くで小さな音がした。 ユウはそれに気づき、左を向いた。 その瞬間・・。
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