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アキレスが猛スピードで突っ込んできていた。
「まずい!!」
ユウはこれに気づき、何とかかわそうとしたが、アキレスのタックルを左肩にもろに受けた。
「ぐわあああああああああ!!!!」
ユウの左肩は完全に破壊された・・。
ユウは左肩を押さえ、うずくまっている。
「直撃は免れたか・・。やるものだ」
アキレスは左腕を回しながら言った。
「だが、これで分かったはずだ。『攻撃は最大の防御』と言うが、私の場合は違う。『防御は最大の攻撃』だとね。この堅い鎧を身に纏った人間が直接ぶつかれば、それはとてつもない武器にもなるという事だよ」
アキレスは、今度は自分の左腕を反対に回し始めた。
先ほど、ユウの左肩とぶつかったからだ。
「あと、先ほどの音だが、あれも私の能力だ。『Avert』(逸らす)という能力で見事に君の注意を逸らした訳だが、これには二重のトラップがあってね。最初に私が指を鳴らしただろう?あれも、君の注意を逸らすための重要なアクションだった訳だ。だが、こんな物は子供だましだ。二度は使えない」
「た・・確かに・・な・・」
ユウは、アキレスが指を鳴らした事が何かの重要な行動では無いかと思った。
だから、後にした音に対して警戒しすぎてしまったのだ。
「では、次の攻撃だ。行くぞ!」
アキレスは高くジャンプした。
そして、ものすごい勢いでユウ目がけて落下してきた。
「エアレイド!!」
「くそ・・!」
ユウは飛んでこれを回避した。
右に飛んだので、右手で受け身を取る事が出来た。
アキレスが地面と衝突した。
ものすごい威力だ。
異次元空間は真っ暗闇だから分からないが、おそらく地面にひびが入っているだろう。
「まだ動くか。『Air raid』(空襲)までかわすとはね。やはり、最初に肩ではなく、足を破壊しておくべきだった」
アキレスが立ち上がって言った。
とてつもない勢いで地面とぶつかったのに、けが一つしていない。
何とも恐ろしい鎧だ。
その時、ユウの右、それもかなり近い所から音がした。
ユウはビクっとして、つい右を向いてしまった。
「しまっ・・」
視線を元に戻すと、アキレスがまた猛スピードで突っ込んで来ていた。
駄目だ!!
かわせない!!
ユウは、両腕でガードした。
両腕を完全に捨てたのだ・・。
ユウは弾き飛ばされた。
「うがああああああああ!!!!」
ユウはあまりの痛みに立つ事が出来なくなった。
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