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ユウは人を罵倒するのが苦手なのだ。
しかも嘘が嫌いと来ている。
つまり、アキレスを罵倒するにも本当の事を言うしか無いのだ。
ユウは体中が痛んだが、力を振り絞って叫んだ。
「や・・やい!この・・鬼畜眼鏡!!貴様なんか・・『目玉のおやじ』じゃ無くて・・、『眼鏡のおやじ』だ!!」
「やめろォォォーー!!やめるんだァァァァァァーーー!!!」
「何が『紳士』だ!貴様なんか・・『浸死』(しんし。水死の事)か震死(しんし。雷にうたれて死ぬ事)すれば良いんだ!!」
「うわァァァァーーー!!!」
ははは・・。
何だこれ・・?
まるでガキだな・・。
!!!!!!
『ガキ』・・?
ユウは自分の思考に対して完全に切れた。
それを何故か、アキレスに言われた事だと認識した。
「俺を・・、『ガキ』と呼ぶなぁ!!この×××××××××××××!!!!」
「やめろって言ってる・・!!!」
アキレスがハッとした時は遅かった。
イージスの盾を出す暇も無かった。
ユウはアキレスの目の前にいた。
そして、アキレスの喉元を、柄の部分を口で咥えていた短剣で薙ぎ払った。
「うわあああああああああああ!!!!」
アキレスが絶叫した。
アキレスが倒れ、喉元から大量の血が飛び出ている。
「あああああ・・・。毒が・・毒がぁ!!毒が・・全身にィィィーー!!!」
アキレスの言う通り、ユウの短剣の刃先には猛毒がたっぷり塗られている。
アキレスは全身をばたつかせていたが、やがて動かなくなると全身が溶けて消えて行った。
ユウは卒業試験の時に人が溶けるのを見ているとはいえ、やはりおぞましい光景だった。
「これで、3人目・・」
ユウはその場に倒れた。
そして、思った。
今回はもう一度戦わなきゃならないんだった・・と。
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