能力者同士の戦い3 U vs Hector 

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能力者同士の戦い3 U vs Hector 

「まさか・・、本当にアキレスが負けたとはねぇ・・」 ユウが現実世界に戻ってくると、へクトルが呟いた。 そして、ダルそうな感じで髪の毛をかき上げた。 「さっきまで寝てたんだけど、彼が負けたって知って目が覚めたよ」 「テレパシーか」 「うん。やっぱり間違いは無いんだねぇ、テレパシーって」 へクトルが一歩、ユウに近づいた。 ユウのケガはすっかり回復している。 「それじゃあ、今度は僕が相手だよ」 「ああ」 2人は向かい合うと、同時に左手を挙げた。 再びユウは異次元空間に来た。 「さてと、始める前に一つだけ言っておこうか」 へクトルがまた髪をかき上げて言った。 「何だ?」 「僕は彼を尊敬していた。すごい人だって思ってた。これはさっきも言ったよね?」 「ああ。だから?」 「でも、勘違いしてほしくないのは・・」 へクトルが姿勢を低くした。 すると、へクトルの周りに漂っている空気が変わった。 ついに本気を出すか・・と、ユウは思った。 「僕は決して、彼よりも弱いと思った事は無いって事さ!!彼に勝ったからと言って油断しないでくれよ?」 油断などするものか。 さっきの戦いで油断したせいで、 かなり痛い目を見たんだからな! ユウはこの言葉を飲み込むと、へクトルに向かって突っ込んだ。 へクトルもユウにまっすぐ向かって来る。 「ハルバード!!」 へクトルが走りながら叫んだ。 すると、へクトルの手元に『Halberd』(おのやり)が現れた。 斧の様に斬っても良し。 槍のように突いても良し。 鉤爪で引っかけたり叩いても良し。 と、色々な使い方が出来る便利な武器だ。 接近戦タイプか。 ありがたい。 ユウとへクトルが一度交錯した。 2人の位置が入れ替わった。 スピードはユウの方が上だが、射程がユウの短剣とへクトルのハルバードでは10倍近い差がある。 一気に接近して 一気にケリをつける! ユウがまたへクトルに向かって突っ込んだ。 へクトルは、今度はその場で身構えた。 へクトルがハルバードで突いて来た時に、ユウはこれを咄嗟にかわし懐に入った。 「もらった!!」 ユウが短剣でへクトルの身体を薙ぎ払おうとした瞬間、何も無い所から斧が現れた。 「何だと!?」 咄嗟に気づいてかわそうとしたが間に合わず、左肩を結構深く斬られてしまった。 「ぐ・・。な・・何だ今のは・・」
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