すれ違う2人 Unafraid~恐れない

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すれ違う2人 Unafraid~恐れない

次の日・・。 4人は何事も無かったかのように顔を合わせた。 「お早うさん!ユウ、ジニアちゃん!!」 「お早う」 「お早うリク、カイ」 「お早う!2人とも!!」 「あれ、ジニアちゃん元気だね?何か良い事あった?」 「え?私が元気なのはいつもの事でしょ?」 「それはまあ、そうなんだけどね」 「よし。じゃあまずは、この町で情報収集しよう」 「検問を通らず、ノール大陸へ向かう方法だな?」 「そうだカイ。ここは広いからな。二手に分かれよう」 「よっしゃ!!じゃあこれで決めようぜ」 リクはコインを出した。 「まあたまには良いかもね」 ジニアも賛成した。 「よっしゃ!!じゃあいっせーの!!」 4人同時にコインを親指で上に弾いた。 その後、4人は塔の入り口に移動した。 「それじゃあ、カイとジニアは塔を中心にして時計回りに行ってくれ。俺とリクは反時計回りに行く」 「了解!集合場所はどうするの?」 「確か塔の入り口の反対側辺りに、もう一つ宿があったはず。そこにしよう」 「分かったわ。じゃあまた後でね」 こうして、ユウとリク、カイとジニアで情報を集める事になった。 「なあユウ、一つ訊いて良いか?」 「何だ?」 ユウとリクは歩きながら話していた。 「ジニアちゃんとはどういう風に知り合ったんだ?」 「・・殺し屋と、標的としてだ」 「うん・・?ユウが暗殺者なのは聞いたけど、標的って?ジニアちゃんが?え・・?!」 リクはようやくその意味に気づいた。 「まさか・・ユウが・・ジニアちゃんを・・?」 「ああ、そうだ」 「でも、何でそんな事に・・?」 「そういう依頼があってな。だが、俺は全ての依頼を受ける訳じゃない」 ユウは依頼を受ける基準などを話した。 そして、依頼人に騙されてジニアを殺そうとした事も・・。 「そうか・・。そんな事が・・」 「ああ。その罪滅ぼしのために、俺はジニアと契約を結んだ。『ジニアの命を狙う全ての者を始末する』という契約をね」 「そういう事か。しかしそんな事があったのに、ジニアちゃんは何事も無かったかのような態度を取っているな」 「ああ。俺は、この嫌な記憶を、ずっと心の奥底に閉じ込めてしまっていた。もう二度と思い出したくなかったからな。でも、昨日ふと思い出してしまったんだ」 「それで?」 「ジニアに訊いたよ。『君を殺そうとした俺を許してくれるのか?』ってな」 「そしたら?」
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