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だが、ユウ自身も女性の敵は許せないと思っていたので、これに関しては良いとも悪いとも判断が付かなかった。
とにかく、新市街で得られる情報はもう無いだろうと、見切りをつけた。
5日目。
王宮内で情報を得る事にした。
とは言え、王宮内に潜入するだけならまだしも、情報まで得るのは至難の業だ。
今日1日で満足できるだけの結果を得なければならない。
ユウは入念な計画を練った。
王宮は新市街と旧市街の間にある道をひたすら真っすぐ行った所にある。
要するに、王宮への道が新市街と旧市街を隔てる境界線なのだ。
ユウは王宮の前にたどり着いた。
ここでは兵士に変装するのが一番だ。
だが流石のユウでも、あらかじめ兵士の鎧や兜を調達する事はできなかった。
なので、ここは仕方なく『現地調達』する事にした。
巨大な門の前に、見張りの兵士が2人いる。
そのうちの1人の足元に本が置いてある。
見張りが退屈になった時、読んでいたのだろうか。
とにかく、この2人のどちらかから鎧と兜を調達しよう。
王宮への潜入作戦は、次の通りだ。
①まず、門の前の茂みに隠れる。
②わざと音を立てて、「しまった!」とか言う。
③見張りの2人が音と声に気づき、「俺が様子を見てくる」と言って、茂みに近い側に立っていた兵士が近づいてくる。
④近づいてきた兵士を、茂みの中でどつきまわす。
⑤兵士を気絶させたら、兵士の鎧と兜を引きはがし自分が身に着ける。気絶した兵士は、そのままにしておく。
⑥茂みから出ると、もう1人の兵士が「何だった?」とか訊いてくるので、「怪しい奴がいたが逃げられた。隊長に報告してくる」と言って、王宮内に入る。
⑦王宮内で一番最初に会った兵士に「外に怪しい奴がいた事を隊長に報告してくるから、俺が戻るまで代わりに外の見張りを頼む」と言う。
完璧な作戦だった。
見事にこの通り実行し、王宮内に潜入した。
王宮内には多くの兵士がいるが、こちらも兵士の恰好をしており、おまけに兜をかぶっている事で顔が見えにくく、咎める者は誰もいなかった。
さて、これからどうするか。
兵士は、全員が見張りに立っている訳では無いだろう。
どこかに休憩室みたいな所があるはずだ。
そこに行こうと決めた。
やがて、それらしき部屋を見つけた。
兵士2人が部屋の奥でリラックスして談笑しているからだ。
ユウもその2人の談笑に混ざる事にした。
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