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その元気を少し分けてもらいたいものだ。
俺はその子の隣に腰を下ろした。
「それで、今日は何をするんだ?」
「えへへ・・。今日もトランプ!けど、ババ抜き以外ね!!」
「じゃあ、神経衰弱と行こうか」
その日は風も無く、暖かい日和だった。
だからトランプを地面に置いても飛ぶ事が無かった。
いや、良く考えると、この3日間ずっと良い天気だった。
もしかすると、神が俺達にくれた時間なのかもな。
神がいるのなら、感謝しないとな。
そう・・。
神がいるのなら・・な。
「あ~~!!また負けたぁ~~~」
少女の叫び声がこだました。
記憶力の良さは、俺の十八番だ。
大人にだって負けはしないのだ。
幼い少女などに負けるはずがない。
「む~~~~・・。また僅差だった・・」
「惜しかったな」
実の所、無茶苦茶加減していた。
俺が本気を出せば、2回とも、その子は1ペアも取れなかっただろう。
いや・・。
最初にまぐれ当たりがあれば、そうでも無いか・・。
「よし。それじゃあ、今度は俺が最近覚えたトランプ占いをやってやるよ」
「やったーーーー!!」
「まずは、今日の2人の運勢と行こうか・・」
「ドキドキ・・」
「ほう。2人とも今日は良い1日になるってさ」
「本当!?やったぁーーー!!」
「次は2人の性格占いだ」
「ワクワク・・」
「ふむ」
「どうだったの?」
「俺の表の顔は、『自己中心的』」
「あはは!当たってるぅーー!!」
「おい」
「あ!!ご・・ごめんなさい・・」
「いや、正直なのは良い事だ。で、裏の顔は、『心優しい』・・?」
「それも当たってるね」
「そうなのか?」
「うん!当たってるよ」
「そうか。まあ良い。で、君の表の性格は、『活発』・・確かにな」
「ふむふむ・・。それで、私の裏の顔は?」
「『繊細』・・。なのか?」
「うん!私って『繊細』よ」
「どうだかな」
「あーーー!その言い方は、私を疑ってるの?!」
「そうだ」
「失礼しちゃうわね、全く・・。私、嘘は吐かないわよ」
「それは確かに」
「そこは認めてくれるんだ・・」
「まあな」
こんな感じで、今日の『楽しい時間』は終わった。
ちなみに、さっき俺が言ったトランプ占いは本当にある占いだが、やり方を説明するのは面倒くさい。
知りたいのなら、自分で調べてくれ・・。
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