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さて・・。
返答を・・どうする・・?
彼女は勇気を振り絞って自分の気持ちを伝えたのだ。
俺が、『別に?なんとも思ってないよ?』とか、『友達だよ』とか簡単に言ったりすれば、彼女はものすごく傷つくだろう。
彼女はドラマチックな言葉を期待しているに違いない。
だが
そんな言葉
俺に分かるはず無いじゃないか・・!
それに
もし知っていたとしても
嘘は吐けない。
俺は嘘は大嫌いなのだ!
俺は、その子に背を向けた。
「俺、明日、仕事を辞めて、この町を出るよ」
「え・・?」
「だから、明日、この町を出て行く前に、俺の気持ちを伝えるよ」
「明日・・ですね・・?」
「ああ。明日、同じ時間に」
「分かりました。お待ち申し上げております」
今日は、その子が先に丘を下りていった。
それにしても、結局、最後まで緊張しっぱなしだったんだな。
口調、変わらなかったし。
その日もやはり、ある時間に王は1人で部屋に閉じこもっていた。
警備の人数、場所も確認した。
いよいよ明日、暗殺を実行に移す・・。
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