悔しい。ただ、それだけ Unaccommodating~助けにならない

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「本来なら、ここで貴様を殺したい所だが、殺しはしない・・。これ以上、この場所を汚したくないんでな・・。それに動けまい。それでは異次元空間も召喚出来ない」 俺はさらに足に力を入れた。 「俺は組織を抜ける。今度会った時が貴様の最後だ・・。そして・・」 俺は、ありったけの力を込めて叫んだ。 「あの男にも言っておけ!!貴様は、必ずこの俺が殺してやるとな!!!!」 もう一度Bの心臓付近を踏みつけた後、俺はBのそばを離れた。 「ふ・・ふざけ・・やがって・・。殺して・・やる・・。俺がテメェを・・殺してやる・・からな・・!!」 Bのその言葉を背に受けながら、俺はその場から消えた・・。 それから俺は、ケレトの町に流れ着いた。 『始末屋』のホームページを開いて・・。 依頼を受けて君に出会い・・ そして、今に至るって訳だ・・。 「そうだったんだ・・。そんな事が・・」 ジニアはかなりショックを受けたようだった。 「なあ、ジニア」 「なあに?」 「何故、王女は突然、言葉遣いを改めたのだと思う?それに、何故急に俺に告白を?」 「言葉遣いを改めたのは、やっぱり、ユウに幻滅されるのが嫌だったんじゃないかな?」 「幻滅?何故だ」 「仮によ?王女様の告白が成功して王女様とユウが結婚したとする。そうすると、王女様はやっぱり王女様な訳だから、国民や家来に対して、ユウに使ってたようなラフな言葉遣いは出来ないの。で、そんな丁寧な言葉遣いの王女様を見て、『俺が好きな王女は、こんな言葉遣いの王女じゃない!』とユウに言われるかもしれないと王女様が考えても、不思議じゃないじゃない?」 「なるほど」 「もし丁寧な言葉遣いを嫌がられたら、今まで使ってたような言葉で告白したんじゃないかな?けどユウは、『別に変じゃ無いし良いんじゃないか?そっちの方がキレイな言葉遣いだし』って言った。自分の言葉遣いが嫌われて無いって分かった。だから、ありのままの自分の言葉遣いで告白したのよ。そして、その言葉遣いを最後まで貫いた」 「それじゃあ、俺と初めて会った時からそうすれば良かったじゃないか?」 「あなたは初対面時に、『お兄様はどなたですか?ここで何をしていらっしゃるのですか?』って言って近づいて来た女の子に、どう接する?そんな言葉遣いをされちゃ、困って対応出来ないんじゃない?」 「う・・」
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