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「俺は王女と遊んで良かったのかな?王女は、幸せだったのかな?」
「幸せだったに決まっているでしょう?だって、心から愛する人に出会えたのですもの。そして、自分の想いも伝えられて・・」
「そうか・・」
「確か王女様は突然王様と王妃様に付いて行く事に決めたのよね?もしかしたら、それは『神の思し召し』だったのかも・・」
「やめてくれ!!」
ユウは声を荒げた。
「神なんていない!神なんていないから、王女は・・あんな目に・・」
ユウは涙を流した。
「あと・・あと少しだったのに・・あと少しで手が届いたのに・・!ちくしょう・・ちくしょう・・!」
「ユウ・・」
「ちくしょう・・!!」
しばらく無言の時間が続いた。
ユウが気を取り直すと言った。
「彼女がアナトレーの屋敷に行かなければ、ああはならなかった。でも仕方が無い事だったんだな。大きな木の下で俺を待っている時に、突然屋敷が爆発したんだ。父と母の事を心配して駆け出したとしても無理は無い」
「そうね・・」
「どんな気持ちで、俺を待っていたんだろうな・・」
「きっと輝かしい未来の事で、頭が一杯だったんじゃないかな?」
「そうか・・。結局、最後まで俺は彼女を救ってやれなかったんだな・・」
それは、王女の想いに応えられない事を意味していた。
こ・・この感じは・・!?
その時、ユウはとてつもなく嫌な感じに襲われた・・。
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