追跡者2 Achilles&Hector 

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ユウが屋根から下を覗くと、下級暗殺者の一体がジャンプして、ジニアのいる部屋に入った所だった。 「くそ!俺も・・・」 「おいおい、敵前逃亡は良く無いなぁ・・。僕達もいるって事、忘れないでよね」 ユウもジニアの部屋に飛び下りようとした時、アキレスとへクトルが近づいて来ていた。 「彼女を助けたくば我々を倒す事だな、ユウ君」 「そういう事だよ」 「く・・。仕方が無い・・」 ユウは覚悟を決めた。 「・・どちらから来るんだ?」 「私から行こう」 アキレスが言った。 「へクトル。私達が戦っている間に、彼女に手を出すなよ」 「え?彼女はもう、下級暗殺者に殺されちゃってるんじゃないの?」 「それはどうかな。ユウ君の落ち着きようを見たまえ。あれは多分、何かの対策を授けたのだと思うね」 「ふぅん・・。まぁ、そうだとしてもご心配なく。こう見えても僕はハンサムだからね。そんな無粋な真似は絶対にしないよ」 「ふん。自分で自分の事をハンサムなどと・・」 ユウが鼻で笑うと、へクトルがまた髪をかき上げて言った。 「ユウ、それは違うよ?」 「何が違うんだ?」 「確かに僕はハンサムだけど、今言ったハンサムは違う意味だよ。『Handsome』には(寛大な)っていう意味もある。よく覚えておくと良いよ」 「本当に寛大な心を持っているんだな。わざわざそんな事を教えてくれるんだからな」 「ありがとう」 その時、アキレスがユウに向き合った。 「それでは始めようか」 「・・良いだろう」 2人は向かい合うと、同時に左手を挙げた。 ジニアがユウの言った通り、入り口のドアを背にして窓を見ている時、下級暗殺者が一体入って来た。 (うわ!) (来た!!) 下級暗殺者は、ジニアを怪しく光る眼で睨んでいる。 (くう~~~・・) (対峙すると、やっぱり怖いなぁ・・) ジニアは姿勢を低くして、ヨーヨー型スタンガンを構えた。 下級暗殺者は、動くタイミングを見計らっているようだ。 (早く早く早く~~~!) (早く動いてよ~!!) 下級暗殺者が動き出した。 ジニアはヤケクソになってヨーヨーを投げた。 カン!という金属音が鳴った。 どこかに当たったという事だ。 (今だ!) ジニアは赤いボタンを押した。 下級暗殺者に電流が走った。 その間も、ヨーヨーは下級暗殺者の身体の周りを回っていた。 そして、下級暗殺者が仰向けに倒れた。
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