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2人は低く構えた。
「さてとー、確か君は短剣を使うんだったよねー!!僕が使うのはこれだよー!」
パンがそう言うと、右手に『Pen』、左手に『Palette』が出て来た。
「ペンとパレット・・?」
「そうだよー。そしてー、パレットには当然『Paint』(絵具)さー」
パレットにはすでに数種類の絵具が用意されていた。
「それで何を?」
「こうするのさー!」
そう言うと、パンはユウに突っ込んできた。
その間に、パンはペンをパレットに押し付けていた。
どうやらペンに何かの色を付けたようだ。
ユウは、とりあえずその場に留まった。
まずはパンの攻撃を見極めなければならない。
「それー!」
パンは右手に持っていたペンを投げつけた。
ユウはこれをかわした。
だが、ペンに付いていた絵具が少し服に付いてしまったようだ。
「なに!?」
ユウの体に異変が起きた。
突然体が熱くなったのだ。
ユウはしゃがみ込んだ。
「か・・体が熱い・・。何だ・・これは・・?」
「あははー!早速効果が出て来たみたいだねー」
「一体・・、何の・・事だ?」
「さっき君が僕のペンをかわした時に、ペンに付いた絵具が少しだけ君の服に付いたのに気づかなかったかい?」
ユウは自分の服を見た。
しかし、黒い服なので絵具が付いているかどうか分からなかった。
「あははー!黒い服だと分かんないよねー!!」
「ぐ・・!!」
「今のは赤い絵具さ。効果は『Pyrexia』(熱病)だよー。今の君の体温は、40℃以上あるんじゃ無いかなー?」
パンの右手に新しいペンが出て来た。
そして、先ほどと同じようにペンをパレットに押し付けていた。
「だけどー、熱病だけじゃ君はびくともしないよねー?それっ!!」
再びパンはユウにペンを投げつけた。
ユウはこれを何とか回転してかわしたが、また絵具が付いてしまった。
「がは!!」
ユウはその場で倒れてしまった。
「い・・痛い・・。体全体が・・」
「えへへ!今度は灰色の絵具。効果は『Pain』(痛み)さー!もう立てないよねー?」
「じょ・・冗談じゃ・・無い」
ユウはゆっくり立ち上がろうとした。
「こ・・こんな痛み・・アキレスの攻撃に比べたら・・屁でも無い・・!!」
「アキレス・・?ああーあいつかー。アキレスってそんなに強かったんだー」
「ああ・・。お前とは・・比較に・・ならないぐらいに・・な」
「・・なんだってー?」
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