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「この世の中には・・、理屈じゃ説明できない事がたくさんあるんだ・・」
「理屈って・・」
またジニアは視線を2人に戻した。
リクは相変わらず淡々としている。
「何故目を瞑らない・・?」
「目を瞑る必要が無いからだ」
ガウン!
3発目。
ユウの左肩に当たったようだ。
服が破けている。
おそらく血が出ているだろう。
ジニアは、またカイの方を向いた。
「お願いだから、あのバカを止めてよ!」
「やれやれ・・。どうやらジニアは・・、リクの事を良い加減で単純な大馬鹿野郎ぐらいにしか思っていないんじゃ・・ないのか?」
「そうよ。悪い?」
「くく・・。ストレートで良いな。気に入ったよ・・」
「もしかして皮肉?友達を愚弄されて嫌な気持ちになったのなら謝るけど」
「いや・・。女がそう思うのは無理も無い・・。実際、今までリクと関わって来た女は全員そう思っただろうぜ・・」
「『女は』・・?じゃあ男は違うって事?」
「ああ・・。違うね。俺がそう思うのだから・・間違いない・・」
「それはカイがあいつの友達だからじゃないの?」
「違う・・。友達だからこそ・・、あいつが女に対してどう接しているかも良く見ている。女に対するアピールが下手くそすぎて・・馬鹿らしく思える。けど・・そんな風に思っている俺でも・・、女が関わっていない時のアイツを見ると・・、『アイツだけは絶対に敵に回したくない』って断言できる」
「そ・・そんなに・・?」
「見ていれば・・分かるさ」
ジニアはまた視線を元に戻した。
リクは少し苛立ってきているようだ。
「余裕ぶっこいてんじゃねえぞ、コラ・・」
「余裕を持てる状況でも無い」
「ふん・・。俺のこの銃にはな。弾は7発入っていた。さっきの戦いで1発、今の3発で4発使った」
「・・・」
「残りはあと3発だ。けど、お前に石の銃弾は使わねぇ・・。全部本物の銃弾を使う!」
「・・『石の銃弾』?」
「そこに気づいたか。それで質問に戻れる。お前のその髪と目の色・・。お前は一体何者なんだ?」
「なに?どういう事だ?」
「この世界で生まれた者はな、誰しも一つの属性を持っているんだよ」
「属性?」
「ああ。そして、その人がどの属性かは、髪の色か瞳の色で判断出来るんだ。この事実は生き物が息をするのと同じくらい当たり前の事なんだ」
「そんな事聞いた事も無い」
「わ・・私も聞いた事無いわ!」
ジニアが叫んだ。
リクは顔だけジニアに向けて言った。
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