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Bが食べ物やら飲み物を出した。
ハンバーガーが袋に大量に入っている。
全部食えるか!!
「何だ、これは?」
「大将からの差し入れだ。初仕事の前祝だとよ」
「俺は酒は飲まん」
「かかか!こいつは酒じゃねえ。俺も未成年だ。酒など飲まん。まあ、俺達暗殺者にとって、成年も未成年も関係無いと思うがな」
本当か?
でかいビンに、『人殺し』なんてラベルが貼ってあるが・・。
まあ良いか。
Bは信用できないが、運営している男は信用できる。
ちなみに、Bは見た感じ、俺より5つぐらい年上だ。
年齢を訊く気にはならない。
俺はこいつが大嫌いなんだ。
嘘と同じくらい・・な。
「そうか。それじゃあ遠慮なく頂くとするか」
「おう!じゃんじゃんやってくれ!俺は行くからよ」
おい、この大量のハンバーガーどうするんだ?
訊こうとしたら、もうBはいなくなっていた・・。
その日はそれで終えた・・。
次の日・・。
ドーン!という大きな音で目が覚めた。
周りを見渡すと、もう昼をかなり過ぎているようだ。
一体、どうなっているんだ!?
これじゃあ、完全に寝坊だ。
俺が寝坊だと!?
そんな事は絶対にありえん!!
だが、約束の時間に全然間に合わなかったのは事実だ。
まさか、ハンバーガーの食べすぎか・・?
それともやはり、『人殺し』は酒だったのか?
ただの炭酸飲料だと思ったが・・。
いや、ちょっと待て!
その前に、さっきの音は何だったんだ?
俺は急いで大きな木の所に走った。
しかし、普段の半分ぐらいのスピードしか出ない。
どうやら、昨日Bが持ってきたハンバーガーや飲み物に、睡眠薬が入っていたようだ。
だが、一体何のために・・?
その俺の思考は、町の様子を見ると完全に停止してしまった。
アナトレー卿の屋敷が燃えている!
いや、爆発している!!
なのに何故、周りで人が騒いでいる様子が無いんだ・・?
「くそ・・!」
俺は急いで丘を下りた。
頭がくらくらする。
全身が重い・・。
それでも、俺はアナトレーの屋敷に急いだ。
その時、丘の下から1人の少女が走ってくるのが見えた。
あの少女だ。
後ろには下級暗殺者が追いかけて来ている。
一瞬、少女と目が合った。
助けて・・!
お兄ちゃん・・!!
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